自動精算機は患者が自ら会計を行えるため、会計スタッフを必要としません。しかし、金銭が詰まったりなど、トラブルが起きることもよくあります。
今回の記事では、自動精算機のよくあるトラブルをまとめて解説し、トラブルを防ぐポイントを紹介するので参考にしてください。
【はじめに】そもそも自動精算機とは?
自動精算機とは、精算から金銭の授受まで、スタッフが介入せずに会計を行える機器です。
類似システムに「セルフレジ」がありますが、セルフレジの場合は、会計スタッフが必要になります。スタッフが会計をした後に、金銭の授受を自動釣銭機で行うのがセルフレジです。
自動精算機は診察券を入れるだけで、患者の情報を読み取ることができ、請求金額が表示されたら、患者は現金またはクレジットカードで精算を行います。支払いが完了すると、領収書や明細書が発行されるので、会計は完了です。
自動精算機は、以下のような流れで使用します。
- 診察券を自動精算機に投入する、もしくは 診察券のバーコードを読み込ませる
- 画面に表示された金額を確認する
- 現金またはクレジットカードなどで支払いを行う
- 領収書及び明細書を受け取る
また、自動精算機の導入メリットは以下の通りです。
- 会計を迅速に行えるため待ち時間の軽減につながる
- 会計スタッフを必要としないため人件費削減効果がある
- 会計ミスがなくなりスタッフの負担が軽減される
- 非接触のため衛生面を強化できる
- セキュリティ強化につながる
- スタッフのレジトレーニング時間が不要になる
- キャッシュレス決済をスムーズに導入できる
- 顧客に対して新しい体験を提供できる
このように、メリットが多い自動精算機ですが、導入後にトラブルが起きることもあるので、注意が必要です。
自動精算機のよくあるトラブルと対策まとめ
ここでは、自動精算機のよくあるトラブルと対策をまとめて解説していきます。
①高齢者など操作に不慣れなお客様が原因となるトラブル
自動精算機は、基本的に診察券を購入するか診察券のバーコードを読み込ませれば、自動で金額が表示されるので、あとは現金もしくはキャッシュレス決済で支払いを行うだけです。
しかし、高齢者や子どもなど、操作に不慣れで時間がかかってしまう人は少なからずいます。
操作方法がわからない場合はスタッフが対応しますが、時間がかかってしまい、その他の患者が会計を待つことになることもあるでしょう。
そうなると、不満を抱く患者もいるので、トラブルにつながる可能性があります。
対策方法
操作方法が分からない患者がいる際は、迅速に対応する必要があります。サポートをするためのスタッフを配置しておくのもいいでしょう。
分かりやすい操作手順を作成して、自動精算機の横に表示させておくのも有効です。
②現金詰まり
自動精算機に紙幣が詰まったり、硬貨を大量に投入したりすると、エラーが起きることがよくあります。現金の詰まりが起きてしまうと、スタッフが対応しなければならず、スムーズに復旧できないケースも少なくありません。
その場合、せっかく会計スタッフを他の業務に回しても、結局、全体的な業務効率向上につながらない可能性があります。
対策方法
①高性能な自動精算機を導入する
自動精算機は、機種によって紙幣や硬貨の処理能力に差があります。そのため、ある程度の性能がある製品を選ぶといいです。
見極め方としては、お金の処理速度などをチェックするようにしましょう。エラー発生時に、エラー原因を自動精算機のディスプレイに表示してくれるタイプの製品もあります。
②紙幣や硬貨の大量投入を防止する貼り紙をする
導入後にできる対策としては、現金の大量投入防止の張り紙をするのが有効です。理由も記載しておくことで、現金の大量投入を減らすことができるでしょう。
③未払いの発生(故意含む)
診察後に自動精算機で精算を行うことに慣れていない方は、未払いのまま帰ってしまうことがあり、また、故意に精算をせずに帰ってしまう方もいます。
とあるスーパーでは、未払いは1カ月に3~5件、多くて5~10件も発生しているようです。
故意なのか、払い忘れなのかの線引きは難しいので、十分注意しなければなりません。
対策方法
対策として以下のようなことを行うと良いでしょう。
- 防犯カメラ設置のシールなど万引きを抑止する施策を講じる
- サポートスタッフの教育を強化し、払い忘れや万引きに目を光らせる
- 購入点数が多い人は、セミセルフレジを使用せずその場で精算してもらう
せっかく自動精算機を導入し、人件費を削減しようとしても、未払いが発生するためにサポートスタッフを増員するとなると、本末転倒です。
それでも、未払いは発生するので、未払いの損失よりも、人件費削減効果の方が高い場合は、ある程度目をつぶるという判断も必要でしょう。
④両替・釣銭補充難易度が高く、使い慣れていないスタッフが苦戦する
自動精算機内の釣り銭がなくなった場合は補充をしなければなりませんが、意外と手間がかかり、慣れていないでスタッフが行うと時間を取られてしまうことがあります。
また、コンパクトな卓上型の自動精算機の場合は、そのぶん釣り銭を入れて置ける量が少なくなるので、釣銭補充の回数が多くなってしまうので気をつけましょう。
対策方法
釣銭補充に関しては、事前にしっかりとトレーニングを行っておくしかありません。導入後にある程度の時間を確保して、スムーズに釣銭補充ができるようにしておきましょう。
⑤逆両替トラブル
最近では、設置されている自動精算機での、利用者による逆両替が問題となっています。逆両替とは請求金額を上回る額の硬貨を一度に大量投入し、お釣りを紙幣でもらおうとする両替方法のことです。
一気に大量の硬貨が投入されることで、自動精算機がエラーを起こし、トラブルにつながることも少なくありません。
対策方法
自動精算機の横などに、硬貨の大量投入を禁止するステッカーを設置するなどして、対策を講じる必要があります。
⑥お客さん同士の揉め事が発生
自動精算機の導入により、会計スタッフが必要なくなるのは大きなメリットとなります。しかし、利用者が自動精算機の操作に時間がかかってしまう場合、他の利用者は待たなければなりません。
操作方法が分からない利用者に対しては、スタッフが操作方法を説明することになりますが、そうなるとさらに時間がかかります。
自動精算機が1台しかない場合、待っている利用者は次第に苛立ちが募り、中には利用者同士の殴り合いにまで発展したケースもあるようです。
対策方法
サポートスタッフの教育強化が、唯一有効な対策方法です。 導入後はしっかりとサポートスタッフの教育を行うようにしましょう。
自動精算機によるトラブルを防ぐためのポイントとは
ここでは、自動精算機によるトラブルを防ぐためのポイントを解説していきます。自動精算機によるトラブルを防ぐ際は、以下の3点に気を付けましょう。
スタッフのトレーニングやマニュアル作成
自動精算機のトラブルは、しっかりとスタッフに教育をしておくことで防げることが多いです。操作方法が分からない利用者への対応や、機器トラブル発生時の対応方法を、事前にスタッフへ周知しておきましょう。
前述したような、想定されるトラブルをまとめ、実際に起きた際に迅速に対応できるようにマニュアルを作っておくのも一つの手です。
現金処理能力が高性能な製品を選ぶ
現金詰まりはよくあるトラブルなので、出来る限り避けるためにも、導入の際は現金処理能力が高い、高性能な製品を選ぶようにしましょう。
初期費用はかさみますが、長期的に見れば大きなメリットになるので、よく考えた上で導入するといいです。
保守・サポート力が高いメーカーを選ぶ
メーカーによってサポート内容に差があるので、いざという時に頼りになるメーカーを選ぶことが大切です。
複数の自動精算機メーカーの相見積もりをとり、それぞれのサポート内容を確認した上で導入するようにしましょう。
まとめ
自動精算機は人件費削減効果や業務効率化などのメリットがありますが、今回の記事で述べたようなデメリットも少なからずあります。
事前に想定されるトラブルをまとめることで、対策を練ることができるので、そうすればトラブルが起きた際も迅速に対応することが可能です。
今回の記事の内容を参考に、自動精算機によるトラブルを防げるようにしてください。
おすすめの自動精算機について、以下の記事で解説しています。導入を検討している方はぜひご覧ください。
