POSレジの耐用年数|導入方法別の減価償却期間までわかりやすく

POSレジの耐用年数導入方法別の減価償却期間までわかりやすく

POSレジとは、商品を販売した際にデータを照合し、販売情報を集積するシステムを搭載したレジのことです。

さまざまな便利機能を搭載したPOSレジは、固定資産として扱われます。その耐用年数は5年と定められています。

正しい税務処理を行うためにも、「耐用年数」や「減価償却」などの専門用語の理解が必要です。

本記事では、POSレジの耐用年数や導入方法別の減価償却期間まで、わかりやすく解説しています。

本記事では、POSレジの耐用年数について解説していきます。その前にPOSレジの基礎知識を再確認したい方は下記の記事をご覧ください。

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目次

【はじめに】そもそも耐用年数・減価償却って何?

ここでは、POSレジ導入前に知っておきたい会計用語の「法定耐用年数」、「減価償却」について見ていきましょう。

固定資産とは

固定資産とは、企業が長期にわたり保有するものや、1年を経過して現金化される資産のことです。

POSレジは、店舗などの決まった場所で1年以上使用することが想定されるため、固定資産の扱いになります。

これに対して、1年以内に現金化できるものを「流動資産」といいます。

1年以上使用されるPOSレジは、次に解説する「減価償却」といった税務処理が必要です。

減価償却とは

資産は長期的に使用することで少しずつ劣化し、価値が下がっていきます。

そのような資産を購入した時に、購入費用・耐用年数に応じて、数年にわたり費用計上を行う会計処理が「減価償却」です。

減価償却の計算は、国税庁が発表している「耐用年数表」に従って行います。

例えば、20万円のPOSレジを購入した場合、5年にわたって20万円を分割して経費にすることが可能ということです。

これにより、減価償却は節税メリットもあります。金額の大きい固定資産を5年にわたって計上するので、毎年の利益を減らして計上できます。そこにかかる法人税も減額されるので、節税効果があるのです。

減価償却には「定額法」と「定率法」があります

定額法と定率法

定額法:毎年一定の額を計上する
定率法:一定の率で算出した額を計上する

原則として個人事業主は「定額法」、法人は「定率法」で減価償却費用を算出します。

償却方法を変更する場合は、税務署へ届出を行う必要があるため注意しましょう。

出典:国税庁「耐用年数表」

法定耐用年数とは

「法定耐用年数」とは、国が定めた固定資産を使用できる期間のことです。国税庁の「耐用年数表」によると、POSレジの耐用年数は5年と定められています。

POSレジを購入した場合は、耐用年数表に従って減価償却処理を行います。耐用年数の5年を超えて利用しても減価償却はできません。

また、耐用年数は5年間使えるという意味ではなく、使用状況や使用環境によって故障する場合もあります。

出典:国税庁「耐用年数表」

POSレジとその周辺機器の耐用年数は何年?

前述の通り、POSレジの耐用年数は5年です。

スマレジやAirレジなど、どのPOSレジにおいても共通して5年ですが、例外はあります。パソコンに各種機器を繋げてPOSレジとする、パソコン型POSレジは耐用年数4年です。

また、ガソリンスタンドのPOSレジのみ、8年になるので注意してください。

周辺機器の耐用年数は?

POSレジの周辺機器の耐用年数は、下記の通りです。

タブレット端末5年
レシートプリンター5年
キャッシュドロアー5年
バーコードリーダー5年
自動釣銭機5年
自動精算機5年

上記の表の通り、耐用年数はすべて5年で、固定資産の「事務機器、通信機器」にあたります。

ガソリンスタンドのPOSレジは、給油機とPOSレジがセットになっている機器が多いです。

減価償却の仕訳は、「ガソリンスタンド設備」「液化石油ガススタンド設備」のどちらかになります。どちらも耐用年数は8年になるので、押さえておきましょう。

POSレジの耐用年数は導入方法によって変わる?

POSレジの導入方法は大きく分けて、購入・レンタル・リースの3つがあります。

ここでは、それぞれの特徴や費用間、耐用年数について見ていきましょう。

POSレジを購入した場合

POSレジを購入する場合は、利用者が一括で代金を支払います。POSレジは固定資産になり、固定資産税や動産保険などの支払いが発生する可能性があります。

レンタル・リースと大きく異なる点は、初期費用の高さです。下表のように、ターミナル型POSレジは、初期費用500,000円〜が相場になります。

レジの種類初期費用月額保守期間
パソコン型POSレジ0円〜380,000円5,000円〜30,000円0円〜18,000円
ターミナル型POSレジ500,000円〜1,000,000円1,000円〜
タブレットPOSレジ43,000円〜240,000円0円〜12,000円0円〜10,000円

ただし、多少の保守費用は発生しますが、大きなランニングコストは必要ありません。POSレジを購入して導入する場合は、長く使えば使うほど、費用総額が割安になります。

POSレジを購入した場合の耐用年数・減価償却

POSレジを購入した場合の耐用年数は5年です。

POSレジは「事務機器、通信機器」に含まれており、耐用年数表に従って減価償却処理を行います。

また、耐用年数5年を過ぎたPOSレジは、減価償却することはできません。

POSレジをレンタルした場合

POSレジをレンタルした場合の特徴は、短期間での導入が可能なことです。そのため、短期間のイベントなどの限定的な期間で使われることが多い傾向にあります。

また、リースとの違いは、「中途解約が可能」「審査がない」といった点です。初期費用も抑えられるため、導入時のコストが比較的低い方法といえるでしょう。

ただし、長期で利用する場合は、リースと比べて割高になります。長期レンタルの場合、メーカーによっては「サブスク」と表示されていることもあります。

POSレジをレンタルした場合の耐用年数・減価償却

レンタルの場合は、耐用年数や減価償却の対象にはなりません。なぜなら、レンタルの場合は資産とはならず、「賃貸料」として毎月経費に計上できるからです。

そのため、固定資産税や損害保険の対象にもなりません。

POSレジをリースした場合

POSレジのリースは、POSレジを所有するリース会社にリース料を支払って取引をします。

レンタルとの違いは長期契約になることが特徴で、利用期間が長ければ長いほど費用総額も割安になります。

初期費用は無料か少額の場合が多く、導入時のコストを抑えられる点がメリットです。リースは最新機種を選べる点も魅力で、自社に合ったPOSレジを導入できるでしょう。

ただし、リース会社の手数料などが発生するため、費用総額は一括購入より割高になる傾向があります。また、リースは途中解約ができず、契約期間中に解約した場合は違約金が発生します。

さらに、リース契約を結ぶためには審査が必要になる場合が多く、誰でもPOSレジをリースで導入できるわけではありません。

POSレジをリースした場合の耐用年数・減価償却

POSレジをリースした場合は、取引の種類によって減価償却できる場合とできない場合があります。

リース取引には、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の2種類があり、「ファイナンス・リース」取引であれば減価償却が可能です。

ファイナンス・リース取引とは、下記のいずれにも該当することをいいます。

ファイナンスリース取引とは
  • リース契約期間中の解約ができない取引
  • 利用者がリースの取得価格及び諸経費を負担する取引

また、ファイナンス・リース取引は、「所有権移転」と「所有権移転外」の2つに分かれます。

所有権移転ファイナンス・リース取引では、固定資産と同じように減価償却を行うのが特徴です。一方の所有権移転外ファイナンス・リース取引では、契約期間が耐用年数になります。

リース期間が終了すると、資産に事業的な価値が残っていないと考えられるため、耐用年数も満了となる点は押さえておきましょう。

POSレジの購入で節税するためのポイント

ここでは、POSレジの購入で節税する方法を下記の2つご紹介します。

POSレジの購入で節税する方法
  • 利益増加とともに減価償却費を増額する
  • 少額減価可能な低価格POSレジを導入して一括償却する

一つずつ見ていきましょう。

利益増加とともに減価償却費を増額する

利益の増加とともに、減価償却費を増額して節税する方法があります。

POSレジのような長期的に活用可能な資産を、利益が増加しているときに購入します。そうすることで税金額を減額しつつ、将来に向けての投資が可能になるのです。

少額減価可能な低価格POSレジを導入して一括償却する

少額減価可能なPOSレジを導入して一括償却することで、節税効果を狙えます。「少額減価償却資産」の特例で一括償却して節税を狙うのです。

青色申告をする中小企業が購入した30万円未満の少額資産を、年度内に一括経費計上できます。

POSレジは周辺機器を合わせても30万円未満になるものが多いため、積極的に活用するとよいでしょう。
POSレジを探したい方は、下記の記事をご覧ください。おすすめの低価格POSレジを紹介しています。

POSレジ導入コスト削減には補助金を活用できる

ここでは、POSレジ導入のコストを削減できる補助金の種類をご紹介します。

POSレジ導入のコストを削減できる補助金の種類
  • IT導入補助金<デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)>
  • 業務改善助成金
  • ものづくり補助金<一般型・グローバル展開型>
  • 小規模事業者持続化補助金<一般型>

自社で受給できる補助金があれば、POSレジ導入の際に活用してみてください。

IT導入補助金<デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)>

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者などが自社の課題やニーズにあったITツールを導入する経費の一部を補助する制度です。

POSレジを導入する際、最も使われるケースが多い補助金制度といえます。

IT導入補助金は通常枠とデジタル化基盤導入類型の2種類があり、このうちPOレジは「デジタル化基盤導入類型」の対象です。

さらに、POSレジはデジタル化基盤導入類型の「ハードウェア購入費用」も対象で、補助上限額20万円、補助率1/2が支給されます。

出典:IT導入補助金

業務改善助成金

業務改善助成金は、中小企業や個人事業主が生産性向上と、従業員の最低賃金引き上げにかかる費用を支援する制度です。

POSレジを導入したことで、生産性向上につながる設備投資と最低賃金の引き上げが行われた場合に、適用される場合があります。

コース区分として、「30円」「45円」「60円」「90円」があり、引き上げ額と引き上げる労働者数に応じて助成上限額も変わります。

また、下記の2つの要件を満たす事業場が助成対象です。

業務改善助成金の対象
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
  • 事業場規模が100人以下

詳しい申請手続きは、下記の公式サイトを確認してみましょう。

出典:業務改善助成金

ものづくり補助金<一般型・グローバル展開型>

ものづくり補助金は、新製品やサービスの開発、生産プロセスの改善などにかかる設備投資の一部を支援する制度です。

ものづくり補助金は、一般型とグローバル展開型に分類され、POSレジの導入に活用できるのは一般型になります。

補助金額は100万円〜1000万円、補助率は1/2または2/3です。

特に飲食店で活用されることが多く、POSレジの導入を検討している飲食店はチェックしておきましょう。

出典:ものづくり補助金

小規模事業者持続化補助金<一般型>

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が新たな販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度です。

大きく分けると通常枠と特別枠に分類され、通常枠の補助上限額は50万円、補助率2/3になります。

特別枠は下表のとおりです。

類型賃金引き上げ枠卒業枠後継者支援枠創業枠インボイス枠
補助率2/3(赤字事業者は3/4)2/32/32/32/3
補助上限200万円200万円200万円200万円100万円

それぞれの申請類型一覧は下記のようになります。

申請類型一覧
  • 賃金引き上げ枠:販路開拓に加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上ある小規模事業主
  • 卒業枠:販路開拓に加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
  • 後継者支援枠:販路開拓に加え、アトツギ甲子園でファイナリストに選ばれた小規模事業者
  • 創業枠:「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む小規模事業者
  • インボイス枠:免税事業者の事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者

申請手順については、下記の全国商工会連合会が公表しているガイドブックをチェックしてみてください。

出典:小規模事業者持続化補助金ガイドブック

まとめ

本記事では、POSレジの耐用年数について解説してきました。

POSレジは固定資産として扱われ、その耐用年数は5年と定められています。使用状況、環境によっては、5年以上使用できるケースも多々あるでしょう。

また、POSレジの導入方法(購入・レンタル・リース)によって、耐用年数が異なる点には注意が必要です。

POSレジを導入する際は、導入方法と減価償却の耐用年数を確認しながら、自社に合った製品を選ぶとよいでしょう。

\希望条件に合うPOSレジを手っ取り早く知りたい方は、お気軽にお問合せください/
POSレジ選びのお悩みならPOSレジ徹底比較jpにご相談ください。
POSレジに精通したプロのコンシェルジュが、希望条件をお伺いし最適な製品を無料でご案内します。無料&手間ナシでお店にぴったりなPOSレジが見つかります。非公開の価格情報などもお気軽にご質問いただけます!
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