調剤薬局におすすめのPOSレジを知りたい
薬局のPOSレジに必須の機能はなに?
無料で契約できるPOSレジはある?
本記事ではこのような疑問にお答えするとともに、薬局におすすめのPOSレジをランキング形式でご紹介します。
以下の5項目から各サービスを比較し、順位付けを行いました。
- 薬局のPOSレジに必要な機能が揃っているか
- 料金とコスパ
- レジの使いやすさ
- 口コミや評判
- 導入時や故障時のサポート力、手厚さ
使いやすさや導入費用などを考慮したうえで、必要な機能の揃ったPOSレジを導入するのがおすすめです。
POSレジの導入を検討されている薬局は、ぜひ本記事を参考にしてください。
【はじめに】薬局のPOSレジに必要な機能を手短に解説
薬局の会計は特殊なので、POSレジを導入する場合、以下のような機能が備わっているものが好ましいです。
- レセコン連動
- NSIPS®対応
- 軽減税率対応
- セルフメディケーション税製品対応
このうちレセコン連動とNSIPS®対応は、業務を効率化するうえで役立つ機能です。
レセコンと連動できれば、レセコンの請求情報をPOSレジに取り込めるようになります。
また、NSIPS®対応のPOSレジなら、処方箋と一般医薬品の会計を合算して行うことが可能です。
この2つの機能に加えて、税制度に関わる軽減税率対応機能とセルフメディケーション税製品対応機能も、薬局での業務に役立ちます。
薬局で販売する商品の消費税率は、通常の10%と軽減税率対象の8%に分かれているため、これらを区別する機能は薬局において必須です。
スイッチOTC医薬品の購入者が所得控除を受けられるよう、セルフメディケーション税制品にも対応している必要があります。
そして上記4つに加えて、以下の3つも薬局において推奨される機能です。
- インボイス制度対応
- キャッシュレス決済機能
- セルフレジ機能
- 自動釣銭機との連携
- 在庫管理機能
2023年10月から、税制に関する制度であるインボイス制度が始まります。
この制度に対応するには、POSレジでレシートを発行する際、事業者名などの必要事項を記入できなければなりません。
制度に対応したPOSレジがあれば、インボイスを求める企業とのやり取りを円滑に行えます。
加えて、カードや電子マネーに対応したキャッシュレス決済機能、レジ対応を自動で行えるセルフレジ機能も、薬局の利用者にとってはありがたい機能です。
このほかにも、自動釣銭機との連携や、在庫管理機能などが備わっていれば、会計の効率化・在庫把握に役立ちます。
POSレジを導入する際は、これらの機能の有無を確認しましょう。
本記事で紹介するPOSレジはほとんどが上記の機能を網羅しています。

薬局のPOSレジおすすめランキング6選の比較表
順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 |
POSレジ名 | スマレジ | BCPOS | ONレジ | 調剤薬局向けPOSレジシステム | GooCoPOS | MELPOS |
問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ |
総合評価 | 5.0 | 4.9 | 4.8 | 4.7 | 4.6 | 4.5 |
初期費用 | 約200,000円~ | 279,400円~ | 301,900円 | 要問合せ | 要問い合わせ | 要問合せ |
ランニングコスト | スタンダード:月額0円 プレミアム:月額5,500円 プレミアム プラス:月額8,800円 フードビジネス:月額12,100円 リテールビジネス:月額15,400円 | BCPOS Lite Free:月額0円 BCPOSサブスクリプション:月額5,000円~、年額54,000円~ BCPOS買取:1ライセンス270,000円~ | 導入2年目以降、月額1,000円 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
メーカー名 | スマレジ株式会社 | 株式会社ビジコム | 株式会社モイネットシステム | 日本リテイルシステム株式会社 | 株式会社グッドサイクルシステム | アスネット |
薬局のPOSレジおすすめランキング6選
ここからは、薬局でおすすめのPOSレジを6つご紹介します。
スマレジ|スマレジ株式会社

- シェアの高いPOSレジを選びたい薬局
- 月々の負担をできるだけ減らしたい薬局
- 機能の豊富なPOSレジを探している薬局
- アクティブ店舗数38,000店舗以上の導入実績
スマレジはPOSレジの中でも特にシェアの高いサービスです。薬局だけでなく小売や飲食、アパレルなどのあらゆる業界で、大小さまざまな業者から選ばれています。
- 月額0円のプランあり
月額無料のスタンダードプランが用意されています。利用できるのは1店舗のみに限定されますが、月々の負担なしで基本的なレジ機能を手軽に使えます。
- 機能が豊富でさまざまな端末と連携可能
レジ機能に加えて売上分析や各種管理機能、キャッシュレス決済といった豊富な機能が搭載されています。マネーフォワード クラウドや会計・確定申告ソフト「弥生シリーズ」をはじめ、多数の外部機器と連携することが可能です。
スマレジの良い評判・口コミ
スマレジの悪い評判・口コミ
出典:スマレジの口コミ
■スマレジの製品情報
おすすめ度 | 5.0 |
初期費用 | 約200,000円~ |
ランニングコスト | スタンダード:月額0円 プレミアム:月額5,500円 プレミアム プラス:月額8,800円 フードビジネス:月額12,100円 リテールビジネス:月額15,400円 |
軽減税率・免税対応 | 〇 |
インボイス制度対応 | 〇 |
セルフメディケーション税製品対応 | 〇 |
レセコン連動 | 〇 |
NSIPS対応 | 〇 |
キャッシュレス決済 | 〇 |
セルフレジ | 〇 |
会計ソフト連携機能 | 〇(オプション) |
\おすすめランキング1位/
BCPOS|株式会社ビジコム

- 長く使えるPOSレジを探している薬局
- 一度購入した本体をそのまま使い続けたい薬局
- 充実したサポートを受けたい薬局
- 10年間使い続ければ月額料金が半額に
サブスクリプションプランの月額料金は5,000円ですが、契約10年目以降は半額の2,500円になります。BCPOSユーザーのうち26%が10年以上契約を続けています。
- ソフトの更新は無料
サブスクリプションプランなら無料バージョンアップによって、最新の機能を利用できます。バージョンアップは数分で終わるうえ、POSレジ本体を入れ替える必要もありません。
- 安心のサポート体制
電話サポートは平日10~18時なら無料で、オプションに加入すれば365日10~22時まで対応してもらえます。365日ハードウェア保守のオプションも用意されています。
BCPOSの良い評判・口コミ
BCPOSの悪い評判・口コミ
出典:BCPOSの評判
■BCPOSの製品情報
おすすめ度 | 4.9 |
初期費用 | 279,400円~ |
ランニングコスト | BCPOS Lite Free:月額0円 BCPOSサブスクリプション:月額5,000円~、年額54,000円~ BCPOS買取:1ライセンス270,000円~ |
軽減税率・免税対応 | 〇 |
インボイス制度対応 | 〇 |
セルフメディケーション税製品対応 | 〇 |
レセコン連動 | 〇 |
NSIPS対応 | 〇 |
キャッシュレス決済 | 〇 |
セルフレジ | 〇 |
会計ソフト連携機能 | 〇(オプション) |
ONレジ|株式会社モイネットシステム

- 調剤薬局向けのPOSレジを探している薬局
- 導入費用の負担があまりかからない製品を探している薬局
- 業務の効率化を目指したい薬局
- 調剤薬局向け機能の数々
調剤負担金呼び出し、セルフメディケーション税制品レシート分離、OTC医薬品・一般品販売履歴表示といった調剤薬局専用の機能が搭載されています。ONレジの導入により、業務の効率化が期待できるでしょう。
- 初期費用は約30万円
初期費用には各種機器や導入サービスなどの料金が含まれています。導入2年目以降の月額料金も1,000円なので、金銭面で負担がかかりにくいです。
- 基本機能も充実
施設への売掛管理や請求機能、仕入・買掛管理などの機能を活用することで、業務の効率が上がります。日報・仕訳データを自動で作成してくれる便利機能もあり、役立つ機能が揃っています。
ONレジの良い評判・口コミ
ONレジの悪い評判・口コミ
■ONレジの製品情報
おすすめ度 | 4.8 |
初期費用 | 301,900円 |
ランニングコスト | 導入2年目以降、月額1,000円 |
軽減税率・免税対応 | 〇 |
インボイス制度対応 | 〇 |
セルフメディケーション税製品対応 | 〇 |
レセコン連動 | 〇 |
NSIPS対応 | 〇 |
キャッシュレス決済 | 〇 |
セルフレジ | ✖︎ |
会計ソフト連携機能 | ✖︎ |
調剤薬局向けPOSレジシステム|日本リテイルシステム株式会社

- 利便性の高いPOSレジを探している薬局
- セミセルフレジ運用を検討している薬局
- 電話サポートをいつでも受けたい薬局
- 豊富なPOSレジ機能
レセコン連動やレジ操作の簡略化、未収金・OTC販売情報の管理など、豊富な機能が搭載されています。複数のレジから患者会計データを呼び出すこともできるため、利便性は高いです。
- 対面型と分離型のセミセルフレジ運用
自動釣銭機を利用することで、顧客と対面しながら、金銭の受け渡しを非接触かつ自動で行えます。スタッフが対面せず、顧客自身で会計を行う「分離型」の運用も可能です。
- 電話サポートは24時間365日対応
日本リテイルシステムのコールセンターは、24時間365日体制で電話相談を受け付けています。POSレジに問題が発生した場合も、迅速に指示を仰ぐことが可能です。
■調剤薬局向けPOSレジシステムの製品情報
おすすめ度 | 4.7 |
初期費用 | 要問合せ |
ランニングコスト | 要問合せ |
軽減税率・免税対応 | 要問合せ |
インボイス制度対応 | 要問合せ |
セルフメディケーション税製品対応 | 〇 |
レセコン連動 | 〇 |
NSIPS対応 | 〇 |
キャッシュレス決済 | 〇 |
セルフレジ | 〇 |
会計ソフト連携機能 | 〇(オプション) |
GooCoPOS|株式会社グッドサイクルシステム

- スムーズかつ正確な製品を求めている薬局
- タブレットタイプの端末を利用したい薬局
- スペースをとらないPOSレジを探している薬局
- 業務をスムーズかつ正確に進められる
各種レセコンと自動で連携し、会計を正確に行えます。また、調剤とOTC物販の同時会計も可能なため、業務の効率化が進みます。
- タッチパネルで簡単操作
POSレジ本体はタブレットタイプの端末となっています。タッチパネルを利用する形なので、操作は簡単です。
- スペースをとらないPOSレジ本体
本体は15.6インチタッチパネルと10.1インチタッチパネルの2種類です。小型でスペースをとらず、スタンドで設置して固定することもできます。
GooCoPOSの良い評判・口コミ
■GooCoPOSの製品情報
おすすめ度 | 4.6 |
初期費用 | 要問合せ |
ランニングコスト | 要問合せ |
軽減税率・免税対応 | 要問合せ |
インボイス制度対応 | 要問合せ |
セルフメディケーション税製品対応 | 〇 |
レセコン連動 | 〇 |
NSIPS対応 | 〇 |
キャッシュレス決済 | 〇 |
セルフレジ | 〇 |
会計ソフト連携機能 | 要問合せ |
MELPOS|三菱電機ITソリューションズ株式会社

- 投薬指導窓口で会計まで行っている薬局
- POSレジと経営支援システムの連携を検討している薬局
- これまでの運用を変えずレジのみを入れ替えたいと考えている薬局
- 投薬指導窓口で会計まで行える
同社が提供する電子薬歴保存システムのMelhisと連携することで、会計業務が効率化されます。Melhisで投薬指導した後、自動的にPOSレジで入金処理が行われるシステムです。
- 経営支援システムと連携できる
MELPOSは同社の経営支援システムMELPLANNERと連携することが可能です。売上データをMELPLANNERに送ることで、経営分析を行えます。
- レジ本体を入れ替えるだけでOK
NSIPS連携モードを利用すれば、POSレジシステムを導入する際に、レジ本体を入れ替えるだけで済みます。これまでと運用を変える必要はありません。
MELPOSの良い評判・口コミ
■MELPOSの製品情報
おすすめ度 | 4.5 |
初期費用 | 要問合せ |
ランニングコスト | 要問合せ |
軽減税率・免税対応 | 〇 |
インボイス制度対応 | 要問合せ |
セルフメディケーション税製品対応 | ✖︎ |
レセコン連動 | 〇 |
NSIPS対応 | 〇 |
キャッシュレス決済 | 〇 |
セルフレジ | 要問合せ |
会計ソフト連携機能 | 要問合せ |
薬局のPOSレジの選び方
次の、薬局で利用するPOSレジに関して、製品を選ぶポイントを解説していきます。
①まずは目的やニーズをはっきりさせる
最初に、POSレジを導入したい目的やニーズを明確にすることが大切です。
POSレジの導入に際して、以下のように考えている薬局も多いのではないでしょうか。
- POSレジ導入にかかるコストを抑えたい
- サポート力が優れたメーカーから導入したい
- POSレジを導入することでセルフレジ化を実現したい
POSレジを導入する際には、端末代などの初期費用に加えて、月額料金なども発生します。
コストを抑えたい場合は、できるだけ低価格な製品を探しましょう。
また、メーカーのサポートを重視しているなら、電話対応やハードウェア保守などについて調べておくことが大切です。
サポートを受けるためにオプションに加入しなければならないこともあるため、情報を整理したうえでサービスを選んでください。
そして、セルフレジ運用が可能になる点はPOSレジ導入の大きなメリットです。
セルフレジ運用を検討している場合、セルフレジ機能の有無を確認しておきましょう。
このように、目的やニーズによって見るべきポイントは変わってきます。
なぜPOSレジを導入したいのかはっきりさせておけば、サービス選びをスムーズに進められるでしょう。
②薬局に必要な機能は揃っているかチェック
POSレジを選ぶ際は、求めている機能が搭載されているかどうか必ずチェックしましょう。
前述の通り、POSレジの代表的な機能は以下の4つです。
- レセコン連動
- NSIPS®対応
- 軽減税率対応
- セルフメディケーション税製品対応
レセコン連動
現在では多くの調剤薬局がレセコン(レセプトコンピューター)を導入しています。
レセコンは診療報酬明細書(レセプト)の作成に用いますが、このレセコンをPOSレジと連携すれば、業務をさらに効率化することが可能です。
通常はレセプトの内容を見ながらレジを打つため、忙しいときなどに入力ミスが起こるかもしれません。
しかし、POSレジとレセコンを連動すれば、レセコンの請求情報をPOSレジに取り込めます。
手作業によるミスが発生しなくなり、正確に会計を行えるようになるため、効率的に業務を進められるでしょう。
NSIPS®対応
NSIPS®も、薬局業務を効率化するのに必須の機能と言えます。
NSIPS®とは、レセコンやレジなど各種機器を連動させるための共有仕様です。
これを利用すれば、NSIPS®対応のPOSレジとレセコンを連動できるようになり、処方箋と一般医薬品等の会計を同時に行うことが可能になります。
今まで別々に行っていた会計をまとめられるため、業務のスピードは大きく向上するでしょう。
そのため、POSレジを導入するならNSIPS®対応のサービスを選ぶのがおすすめです。
軽減税率対応
薬局で販売する商品によっては、軽減税率制度に対応したPOSレジを用意しなければなりません。
通常の消費税率は10%ですが、飲食料品などの一部商品には軽減税率が適用され、消費税率8%での販売となります。
薬局で販売される商品のうち、軽減税率が適用されるものの例は下記の通りです。
- 特定保健用食品
- 栄養機能食品
- 清涼飲料水
ポカリスエットやオロナミンCなどが該当し、消費税率8%として扱われます。
一方で、以下のような医薬品等は消費税率10%です。
- 第2類医薬品
- 第3類医薬品
- 医薬部外品
具体的には、アリナミンVやリポビタンDなどが当てはまります。
消費税率10%と8%の商品を区別して販売するためにも、軽減税率に対応したPOSレジは必要です。
セルフメディケーション税製品対応
セルフメディケーション税制に対応しているかどうかも、事前にチェックしておくべきポイントです。
スイッチOTC医薬品の購入金額が一定額を上回ると、所得控除を受けられますが、この仕組みはセルフメディケーション税制によって取り決められています。
所得控除を受けるためには、制度の対象商品を購入したことを、レシートなどによって確認できなければなりません。
セルフメディケーション税制に対応したPOSレジがあれば、この件に対応することが可能です。
【コラム】薬局のレジとドラッグストアのレジの違いは?
調剤薬局とドラッグストアでは、レジ業務の複雑さが異なります。
ドラッグストアのレジ対応は、商品についているバーコードをスキャンするのが主なので、初心者にも問題なく務まるでしょう。
一方で調剤薬局の場合、商品をレジに登録するのに加えて、処方する医薬品の情報も説明しなければなりません。
そのため、医薬品に精通した薬剤師がレジ対応を行う必要があります。
調剤薬局のレジ対応はドラッグストアよりも複雑で、時間もかかります。
このような薬局のレジ業務を効率化してくれるのが、POSレジシステムです。
POSレジを選ぶときは搭載されている機能を調べ、業務に貢献してくれるかどうかしっかりと検討しましょう。
③料金やコスパはどうか
POSレジを導入するうえで、購入費用やランニングコストは重要なポイントです。
ご自身の薬局で無理なく導入できるようなサービスを選択肢しましょう。
POSレジの中には、月額料金が0円のサービスも存在します。
たとえば、スマレジでは月額無料のスタンダードプランが提供されており、月々の負担なしで基本的なレジ機能を利用することが可能です。
負担する金額と利用できる機能を調べ、コストパフォーマンスを考慮したうえで購入するサービスを選択してください。
本記事で紹介している中で、特に低価格な製品はスマレジとBCPOSになります。


④レジの使いやすさも確かめる
前もってサービスの使い心地を確かめておけば、購入する際の参考となります。
一見便利そうに見えるサービスでも、実際に使ってみたら思っていたものと違っており、ギャップを感じることもあるでしょう。
このような失敗を防ぐためにも、事前確認は大切です。
POSレジサービスの中でも、スマレジは実際にショールームで体験することができます。
また、多くのサービスがオンライン相談に対応しているため、これらの機会を積極的に利用しましょう。
⑤導入時や故障時のサポート力、サポートの手厚さ
サポートの内容はメーカーによって異なります。
導入時や故障時にしっかりとサポートしてくれる業者の方が、安心感は大きいでしょう。
電話サポートの対応時間やハードウェア保守体制などを、契約前に確認しておくことが大切です。
また、メーカーによっては有料サポートのオプションも用意されています。
たとえばBCPOSの電話サポートは、通常だと平日の10~18時までですが、有料オプションに加入すれば365日10~22時まで対応してもらうことが可能です。
オプションに加入しなければならないのかどうかも含めて、業者ごとのサポート内容をチェックしましょう。
薬局のPOSレジはレセコン連動がポイント?連動させるメリットは?
薬局のPOSレジには上記の機能が搭載されているのが望ましいです。
中でも、レセコンの連動は非常に重要な機能となっています。
ここでは、薬局のPOSレジをレセコンに連動させるメリットについて、より詳しく解説します。
効率的な請求書作成
レセコンとPOSレジが連携することで、処方箋に基づく薬の販売データをリアルタイムで管理することができます。
そのため、請求書作成の効率が向上し、誤りのない請求処理が可能です。
従来は手作業で請求書を作成していた場合、ヒューマンエラーが発生するリスクがありましたが、連携によってそのリスクを大幅に軽減することができます。
医療費の適正化
レセコンと連携することで、医療機関からの処方箋データと薬局の販売データが一元管理されます。
この機能により、不正請求や二重請求を防ぐことができ、医療費の適正化に役立つのは大きなメリットです。
また、保険請求の際に必要な情報が正確かつ迅速に取得できるため、保険者とのトラブルも減少するでしょう。
患者サービスの向上
レセコンと連携することで、患者の処方箋履歴を効率的に管理することができます。
これにより、アレルギーや薬剤相互作用に関する情報を迅速に把握し、適切な薬剤提供が可能です。
また、患者の薬剤服用状況や効果を把握することで、より良いサービスを提供できるようになります。
薬局がPOSレジ導入で使える可能性のある補助金
POSレジ導入の際、補助金制度を利用すれば導入コストを抑えることが可能です。
各補助金について以下で解説していきます。
IT導入補助金
IT導入補助金は経済産業省が実施している補助金制度です。
制度を活用することで、ITツール導入にかかる費用を一部負担してもらえます。
補助金の対象は中小企業と小規模事業者ですが、具体的な条件は業種によってさまざまです。
数十万~数百万円の補助金を受け取ることも可能なので、POSレジを導入する際はIT導入補助金を受けられないか確認しておきましょう。
業務改善助成金
厚生労働省による業務改善助成金も、POSレジを導入する際に活用できます。
設備投資を行って事業所内の最低賃金を一定額引き上げた場合、その設備投資にかかった費用に対して、業務改善助成金を受けることが可能です。
設備投資は、企業の生産性を向上させるためのものでなければなりません。
POSレジの導入はこの条件に該当するため、業務改善助成金の対象となります。
なお、助成金を受けるには下記2つの要件を満たす必要があるため、注意しましょう。
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
- 事業場規模100人以下
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、革新的なサービス・試作品の開発や、生産性向上のための設備投資を支援するための制度です。
「ものづくり」という名前ですが、POSレジを導入するような設備投資のケースも、補助金の対象となっています。
ものづくり補助金を受ける条件は下記の通りです。
- すでに創業している
- 資本金と従業員数が基準以下である
- 賃金の引き上げ計画を従業員に表明している
条件を満たして50万円以上の設備投資を行えば、100~1000万円の補助金を受けられます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、個人事業主や従業員20人以下の法人が受給の対象となっています。
この補助金制度の目的の1つは、小規模事業者の業務効率化を支援するというものです。
そのため、生産性を向上させようとしてPOSレジを導入した場合、審査に通れば補助金を受けられます。
受給できる金額に関しては、通常の「一般型」枠なら50万円までです。
また、コロナに対応した設備投資や感染症対策を支援する「低感染リスク型ビジネス枠」では、最大100万円の補助金を受けられます。

薬局にPOSレジを導入するメリットは?
薬局にPOSレジを導入するメリットにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
ここでは、薬局にPOSレジを導入するメリットについて5つほど見ていきましょう。
業務効率の向上
POSレジを導入することにより、レジスタッフは販売データを簡単に入力し、精度の高い金銭取引を行うことができます。レジの処理時間が短縮され、待ち時間が短くなるので、顧客を待たせずスムーズに会計処理を行うことが可能です。また、レジスタッフの負担が減り、その結果、ストレスの軽減にもつながるでしょう。
在庫管理の改善
POSレジは在庫管理機能を持っており、在庫の自動調整や商品の在庫状況の把握が簡単にできます。そのため、在庫管理の精度が向上し、商品切れや過剰在庫のリスクを減らすことができるのがメリットです。
また、在庫状況がリアルタイムに把握できるようになり、商品の補充タイミングを適切にチェックすることができます。
顧客データの管理
POSレジを使うことで、顧客データを収集し、顧客履歴を管理することができます。顧客が過去に買った商品や購入履歴から、顧客ニーズを把握し、それに合った商品やサービスを提供することが可能になるため、顧客の満足度向上に繋げることができるでしょう。
また、顧客の購買履歴から、優良顧客を把握し、その顧客に向けたマーケティング戦略を展開することができます。
会計処理の精度が上がる
手作業での計算ミスや金銭トラブルのリスクを減らすことができます。会計処理精度が向上するため、ヒューマンエラーを減らせるのも魅力の一つです。会計ミスによる顧客とのトラブルが無くなるだけではなく、正確な販売データを把握することにもつながるでしょう。
レポート機能
POSレジは、売上データを自動的に収集し、各商品や商品グループの売上状況、顧客傾向、時間帯別の売上データなどの詳細なレポートを生成することができます。こうした機能をうまく活用することで、販売の最適化や、効果的なマーケティング戦略の策定が可能になります。また、売上データから、需要の高い商品を特定し、不要な商品を減らすことでコスト削減も可能です。
薬局にPOSレジを導入する際の注意点は?
薬局にPOSレジを導入する際には、いくつか注意点も存在しています。
ここでは、POSレジ導入時の注意点について、詳しく見ていきましょう。
システムの適合性を確認する
まず、薬局で取り扱っている商品に応じて、POSシステムの適合性を確認することが重要です。どれほど充実した性能が搭載されていても、店舗に必要ないものであれば意味がありません。導入前にどのような機能が用意されているのか、それが本当に店舗にとって有益なものなのかについてしっかりとチェックしておきましょう。
セキュリティ対策を徹底する
POSレジには、顧客情報や売上データなどの重要な情報が含まれているため、セキュリティ対策を徹底することが必要です。万が一、個人情報など貴重なデータが流失してしまえば、トラブルに発展してしまう恐れがあります。
このようなことにならないためにも、暗証番号や指紋認証などのセキュリティ機能を活用し、不正アクセスや情報漏洩を防止するようにしましょう。
在庫管理の見直しを行う
POSレジのデータを活用して、在庫管理を最適化することができます。在庫管理の見直しを行い、必要な商品を適切なタイミングで補充することで、在庫のムダを減らし、効率的な販売を実現できるでしょう。
定期的に商品の登録や在庫データの確認を行い、常に情報を更新しておくことが大切です。
カスタマーサポートを確保する
POSシステムには、トラブルが発生することもあります。このため、サポート体制を確保することが重要です。POSレジサービスによっては、駆けつけサポートや24時間の電話対応など、手厚いサポート体制が用意されているものがあるため、こうしたサービスを上手く活用するのが良いでしょう。
導入後も適切なサポート体制を整え、従業員が適切に対処できるようにしておくことが大切です。
コストを見極める
POSシステムは、導入費用やランニングコストがかかるため、コストを見極めることが必要です。POSレジ本体には費用が掛からなくても、自動釣銭機などとセットで導入する場合には、100万円を超えるケースもあります。
そのため、事前に予算のチェックを行った上で、適切な価格のサービスを導入することが大切です。予算やコスト感に合わせたシステムを選定し、適切な管理を行うことで、コスト削減につながるでしょう。
薬局にPOSレジを導入する流れは?
まずは、薬局のニーズを把握し、どのような機能や性能を持つPOSレジが最適かを検討します。現在の売上や顧客動向、在庫管理状況などを分析し、必要な機能をリストアップします。
次に、導入にかかる予算を設定します。機能や性能によってPOSレジの価格は異なるため、導入に必要な費用を把握し、予算範囲内で最適な製品を選定します。
市場調査を行い、複数のPOSレジメーカーや販売業者を比較検討します。評判やサポート体制、アフターサービスなども考慮し、信頼性の高いベンダーを選定します。
ニーズ分析と予算設定の結果をもとに、最適なPOSレジ製品を選定します。機能性、使いやすさ、拡張性などを評価し、薬局に最適なPOSレジを見つけます。
メーカーとの契約手続きを行い、導入スケジュールや支払条件を確定します。
POSレジの設置や設定を行います。また、従業員向けの操作研修も実施し、スムーズな導入を図ります。
POSレジが設置され、従業員が操作方法を理解したら、運用を開始します。運用開始後も、トラブルや問題が発生した場合は、契約している業者にサポートをしてもらいながら問題を解決することが大切です。
まとめ
POSレジは、調剤薬局のレジ業務を効率化するうえで役立つサービスです。
時間のかかる複雑な業務も、POSレジを導入すればスムーズに進められるようになるでしょう。
本体に搭載されている機能や導入コスト、使いやすさなどはサービスによってさまざまです。
コストを抑えたいなら低価格のPOSレジを選ぶ、機能面を重視するなら機能が豊富なものを選ぶ、といった具合に目的に応じてサービスを選択してください。
本記事でご紹介しているPOSレジに関心を持った方は、サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
